第7章 追憶
夢を見ていた。
あの日。
夕方、空が赤かった日。
優兄に私は
「あたしね、大きくなったらね、優兄のお嫁さんになる!」
と高らかに宣言した。もちろん諒のいる前で。
諒は拗ねて帰ってしまった。
そのあと2人きりで遊んでいたときに、喰種がやってきたのだ。
きっとショッキングすぎて記憶が消えていたのだろう。
思い出した。あのときに見た色。
赤。赤。赤。赤。
優兄がただの肉の塊になるの私は見ていることしか出来なかった。
ベッドの上で汗だくになりながら叫んでいた私のところにナースさんが来て、正気を取り戻し、それから体調はだんだんと回復した。
そして遂に、現場に復帰し、郡先輩と一緒に闘う日々に戻ったのだった。