第6章 再会
帰りの車の中にて
車に乗っている間に喰種に襲われたら話にならないので、一般の乗用車にカモフラージュした4人乗りの車に郡先輩と2人で乗った。後ろにはクインケが置いてある。田舎道をたくさんの車が通る。これでも陣形を組んでいるようだけど。
(なんか車で2人って…っていやいや何考えてんの私!!)
「今日は勝手に行動しちゃってごめんなさい…」
郡「…あいつ強かったね。ちさきも上等でラビットと渡り合うなんてすごいと思うけど」
「怒らないんですか?」
郡「いや、別に?ただ、無茶はしちゃだめだからね…」
「あの!ジャックとかいう喰種、私のこと知っているようでした。交戦経験はなかったんですけど」
郡「もしかして戦闘以外で会ったとか?」
「どうでしょう。この髪型を懐かしいとか言ってたけど、これ、5歳くらいまでですよ?」
郡「うーん…しっかり調査しないとだね。攻撃、わざと外されてた?」
「多分そうです…」
郡「というかその髪、どうするの?」
「あっ…あ〜ボブにしちゃえばなんとか」
郡「その髪型、ハ…似合ってると思うけど」
(ハイルって言おうとしたでしょ?いつもいつも!みんな誰かを私に重ねるんだ…倉元だって、お父さんだって…)
「…そうですか」
郡「車酔いしてる?顔色悪いけど」
「…別に…」
この後私が本当に酔って気持ち悪いとか叫び出すまでは何も会話がなかった。