第6章 再会
羽赫…?二種持ち…?半赫者…?
資料とは全然、いや、全くと言っていいほど違う姿の喰種が目の前に現れた。
「ただいま、ジャックと交戦中、既に報告されていた尾赫以外に、羽赫の発現がみられます、また、共喰いをしていたのか、半赫者のようにもみえます。」
司令官「ジャックはssレートに引き上げだ、星野、援助が来るまで戦うな」
無線で伝えた。郡先輩がこっちに向かって何か叫んでる。
身体が熱い。闘争心がむきだしになる。殺すのは…私だ。司令なんて知らない。
ジャックが一撃目を出してきたが、左で受け止める。
しかし、攻撃が重く、後ろに吹っ飛ばされた。
「ガハッ」
ぼろぼろの家の外壁に衝突する。
「駄目…まだまだやれる」
右手で身体を支え、空中で半回転し、体勢を立て直す。
有馬さんが教えてくれたみたいに、右手と左手をばらばらに動かす。
血が飛び散る。ジャックの血だった。
やれる。私なら。
キーンと高い音が響き渡って私のクインケが飛んでいった。右も、左も。
思考が停止する。膝から力が抜けてしまう。
ああ、もう駄目かも。積み上げてきたものが消える。
「こ…おり先輩…勝手に…ごめんなさ…」
ギミックは確かに動いていて、左手にはヤマトが戻ってきたが、この体勢では…
ザッ
音がした。噴射された赫子を全部左のクインケで止める。左手の負担が半端じゃない。
右…あとちょっとで戻ってくるのに…
バッと音がした。何かに突き飛ばされた。
「郡先輩!」
郡先輩はタルヒで応戦する。何かがばらばらと落ちた。
私の肩から下の髪がばっさり切られていた。
ジ「その髪型懐かしいね」
ジャックが切ったのだ。なんで攻撃をいちいち外すのだろう…
そのとき、
「ラビットだ!!!退却しろ!!!」
と声が聞こえた。ラビットがちょうど誰とも戦っていない私に攻撃を…
「余裕」
全部2振の刀で止める。
ラ「なっ…!」
班員「星野上等…すご…」
ラ「なーんで上等なんだこいつが」
バババババ
攻撃が全て止められる。羽赫を活かして。
私は、跳躍し、喰種のように空中でラビットに太刀を入れる。
ラ「うっ…」
羽赫は消耗がはやいからだろうか、逃げられてしまった。私たちにも退却命令が出た。
そして、ジャックも逃げ出してしまったのだった。