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貴方との異常性癖について【R18】

第6章 轟焦凍✕アコースティッコフィリア【音響愛好】



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轟side


───────そうか、


    そうだったのか‥‥‥‥。


すずの話を聞いて、俺は1つの事実を理解した。
というよりは、ようやく思い出せた、と言うべきか。


やっと欠けていたパズルのピースが見つかったような、そんな感覚。

俺自身も、ずっと忘れていた。

無意識に自分自身が思い出そうともしなかったこと。

何故、あんな大切な事を……
否、その理由など等に理解している。



(……母さん‥‥)


無意識に心の中で呟いた。






「─────轟くん?」
「!!」

彼女の声で現実に戻される。
意識していない内に驚いたような表情をしていたのか。

少し不安そうなすずが俺を見つめる。




「‥‥‥‥いや、何でもねぇ。」


そう俺は彼女に告げた。




まだ、その時ではない。
彼女に真実を告げるのは、今ではない。



事実を告げれば、彼女のあの美しい歌声が聞けなくなるかもしれない。
そんな事は、あっては成らないことだ。

それほどまでに、俺は彼女の“音”の虜なのだから。




そうやって俺は事実に蓋をした。


 

  



 彼女がそれを知るのは、まだ先の話。
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