第4章 折原臨也✕ダクライフィリア【泣哭性愛】
冷たい雪の降る夜の池袋。
建ち並ぶビルや店の明かりに照らされて、周りは明るく夜だという事を感じさせない。
人の足音、声、店の音楽、様々な音が交じり合って耳の中で木霊する。
「……はぁ‥」
そんな中、自分の吐いた溜息の音はかき消され白くなって消えていく。
私は今日から東京に引っ越してきた。
こういう都会は初めてで、これからの生活をenjoyしようと考えてた。
‥はずなのに‥‥!!
現在
一言で言うと
『無一文』である。
‥‥‥
どうしよう
どうしよう
どうしよう‥‥‥!!!
いや、こんなつもりはなかったんです。
ほんの数時間前、私は初めての東京を取りあえず楽しもうと思って町をぶらぶらしていた。
『引っ越し先探しは、別に後でも良いかなー。暫くはホテルでも借りよう』なんて悠長な事を考えてました。
そして
人混みに慣れてなくてふらついてたりして、
気が付くと握っていたはずのバックが無かったという‥‥。
自分でも馬鹿だと思うよ、本当‥