第2章 及川 徹✕サディズム【加虐性愛】
「あぁ‥‥ッ!‥」
声を上げるのも辛かった。
けど
私の心の言葉は彼に聞こえない。
早くいつもの徹に戻ってくれる事を願うだけなんて、なんて情けないんだろうか。
そう心で思った時、
首筋に冷たいモノが触れた。
強い圧迫感。
「‥‥‥ッ!!」
首が絞られる。
大切な彼の手で。
声が出せない。
苦しい。
悲しい。
なのに‥‥‥
なんで徹の方がそんなに悲しくて、苦しそうな顔をしているの?
彼の手は、私を離すまいと必死に握り締めるようだった。
「もっと、もっと俺を求めてよ‥‥‥ッ」
苦しそうに呟く彼の台詞。
私は朦朧とする中、虚ろと聞いた。
「ごめんね‥‥‥」
小さく呟いた彼の声が聞こえる
‥大丈夫だよ、徹。
私は
微笑みながら、
退けようとしていた彼の手首から、自分の両手を離した。