第7章 太宰治✕ポレアフィリア
厭らしい手つきで、ニヤついた顔で胸を触られる。
気持ち悪い。嫌だ。触らないで。
「‥‥っ」
「まぁそんな怯えんなよ。全部話したくなるくらい気持ちよくしてやるからよぉ‥」
耳元で聞きたくもない声が木霊する。
(‥‥っ太宰さ─────── )
刹那に頭を過ぎったのは
太宰さんの事。
バン!!!!
「ぐぁ!?!!」
「!!!」
諦めかけ、目に涙を浮かべ顔を伏せた直後
部屋に響いた銃音と断末魔。
「まったく‥この程度の敵に捕まるなんて本当に情けないな。」
涙でぼやける視界に映ったのは
腹部を撃たれ悶える敵と消炎をあげる銃を片手に
冷静に状況を掌握する太宰治の姿。
「太宰‥さ‥、‥っすいません‥」
「君が使えない事など私は遠の昔に知っているさ」
酷い言われよう。けれど現状を見ればそれは事実だ。
それでも、びりびりに破かれはだけた私の肌をチラリと見れば、他の人には見られないように上着をかけられた。
情報は聞き出さなければいけないからと
慣れた手つきで先程撃った敵の輸送と任務完了の為即時撤退を太宰さんは部下に命じた。