第7章 揺れる心
-リョーマside-
「はっ、はぁ、はぁ」
鴻汰から逃げるように部室を出た俺は
いつの間にか海堂先輩の家に向かって走ってた
多分あのままじゃ自分がおかしくなるってわかってたから
先輩にそばに居てほしかったんだ
『リョーマのこと壊していい?』
「......っ」
鴻汰に囁かれたあの言葉が
まだ頭の中に響いてる
「くそっ.....」
いつまでたっても止まらず溢れ出る涙を拭いながら
先輩の家の前で足を止める
「はぁ、はぁ...」
ゆっくりとインターホンを押す
『はい...』
低くて優しい先輩の声
「せん、ぱ...っぅ」
安心したせいで止まってた筈の涙がまた流れ出す
先輩の焦ったような声が聞こえたけど
俺の涙は止まらなかった