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こうして愛に溺れてく。【ONE PIECE】

第2章 プロローグ





エマが4歳を迎えて少しばかり経った頃。


『~ッ、!!!…ついに完成…』


歓喜の声が第2の家で上がった。

悪魔の実図鑑を見つけた日から続けてきた研究が歳を重ね知識を増やしたことでやっと成功したのだ。


──あとはアレを手に入れるのみ。


それを手に入れるために他の研究も同時進行で行い、通称ミラクルボールとマニマニキャンディーを造ったのだ。

とりあえず思い立ったら即行動のエマは大きなトランクに研究材料や資料と悪魔の実図鑑をいれて適当なカバンに服をつめて両親のもとへ向かう。


『…お父さん、お母さん』


リビングの扉を開けて声をかけると同時に暖かいものに抱きしめられる。

ふわりと香る花の匂い。お母さんの匂い。


「…エマッ」


母の涙声、なんともいえない雰囲気。
父の悲しそうな少し険しい顔。


『お父さん、どうしたの、?』


ただ事ではないと理解し、目の前にいる父に尋ねた。


「…エマ。この島から出ていきなさい」


静かに諭される。

自分から言おうとしていた事だから内心驚いたが、なぜ父からそう告げられたのか不思議でならない。



『どうして?私なにかしちゃったの?』

「……」

『師匠の家に入り浸りすぎて嫌いになっちゃった?』

「……」

『私はいらない子なの…?』

「エマ!」



自分から島を出ようとしたのに両親からの言葉に、喋っていくうちに動揺が隠せなくて疑問を投げかけていると父にはじめて怒鳴られた。


「もう、父さん達にはエマを匿いきれん。どうか安全な所へ逃げてくれ」


母は父の言葉に泣き崩れた。

匿う?なにを?

…私を?なぜ??

そこではじめて私が世界政府から狙われていた事実を知った。

特殊能力のこと、研究していた悪魔の実のことを何処からともなく情報をつかまれ世界政府から勧誘という名の脅迫をされていたのだ。

両親は「大切な娘は渡さない」の一点張りで、痺れを切らしたあちら側は引き込めなかったら万が一凶悪犯に成りかねないので島ごと潰すそうだ。

匿わなくていいのに、という強がりに両親は微笑み、1枚の家族写真をくれた。

それから島の裏口まで繋がる地下路にはいると、頑丈な鉄の扉を両親は私だけ入れて閉めた。


困惑していると地面が大きく揺れた。
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