第4章 葉は緑、空は雨色
目的の駅に着くと、礼を言われて腕から夢主(妹)の手が離れてく。
俺と一君の前を、千鶴と二人で時折クスクスと笑いながら楽しそうに歩く夢主(妹)をぼーっと眺めながら歩いていれば、いつのまにか改札を抜けていた。
改札を出ると、部長と先生達が先に待ってた。
「おはようございますっ」
さっきより元気な声の夢主(妹)は、すっげえ笑顔だった。
「おはよう夢主(妹)ちゃん。今日もかわいいね。」
総司部長はいつもこうやって夢主(妹)をかわいいかわいいって言ってる。
そういやこういう時の夢主(妹)は?と思って、その表情を見ると…すっげえ赤くなって照れてた。
あー…なるほど…部長は知ってんだな。
夢主(妹)が…なんつーか…すげーかわいいってこと。
いつのまにか部員が揃って、大会の会場まで移動する。
部長の隣で楽しそうな夢主(妹)を見ると、なんだか心臓のあたりがむずむずした。
朝から感じてた千鶴の違和感も、多分これだよな?
女の子…って、異生物なんだな…みたいなさ。
そんなことを考えながら、小雨が降る会場までの道程を歩いた。