• テキストサイズ

【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第4章 葉は緑、空は雨色


相変わらず原田先生は私をじっと見つめたまま、黙って聞いてくれてる。

そのまま無言で泣き続けて、両手で目をおさえた。

気がつけば、原田先生のにおいがおでこにぶつかる。

「…近づくなってば!」

「知らねぇよ。」

先生はぎゅって私を抱きしめる。

「…おつかれさん。まぁしばらく辛いだろうけどな。泣きたくなったら俺のとこに来ればいい。」

原田先生の胸で私は子供みたいに声をあげて泣いた。





「――夢主(姉)ちゃん?」

あ…しまった…

思い出してうっかり涙が…総司がいたの忘れてた。

「…なんでいきなり泣いてるの?」

「…思い出し泣き。」

「エロいね。」

そう言う総司は、今日はなんだか様子がおかしい。

ふぅ…と小さく溜息をついて、

「僕達って…損だよね。いろいろ。」

遠くを見ながらそんなことを言い出した。

やっぱりなんか変。

総司とは一緒にいる時間が長いけど、こんな総司ははじめてかも。


いつのまにか止まってた涙を拭いて、総司が見てるまだ雨雲が残る遠くの空を見る。

生暖かい風が屋上に吹いて、なんだかすっきりしない空気が流れていた。
/ 255ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp