第2章 サクラ散る頃
下駄箱まで一目散。
一君に会いたい。昼休みは会えなかった。来てくれなかったことなんてなかったのに。でも、それを考え出したら怖くなるから、とりあえず考えないでいたのに…うっかり思い出しちゃった…
ああやばい。また涙がでてきた。もうなんなのっ。
靴にはきかえて歩きだす。
誰にも会いたくないな…。そう思って、裏門から帰ることにした。
裏門を目差して歩いていると、体育館から何かの部活のかけ声が聞こえてきた。
何も考えず、フラフラと体育館の入口に近づく。
そっと中を覗くと、夢主(妹)と総司の姿が見えた。
何やら楽しそうに話をしてる。
夢主(妹)楽しそうだな。剣道好きだもんね。…総司ってあんな優しい顔できるんだ…そんなことを思った。
そして、一君の姿を探す。
あっ一君いた。けど…
一君の隣で、メモをとってる女の子がいた。
……あの子だ
心臓を銃で打たれた気分。どんどん動機が激しくなって、息が苦しい。
離れなきゃ。ここから。
その時、一君がこちらを見た気がした。それに応えることなく、そのまま私は走った。