第7章 横暴な要求
内容は・・・
斎藤先輩への私の気持ちに気がついてること。
合宿に参加するのは斎藤先輩に近づきたいからではないこと。
それに、私の気持ちを応援してくれるということ。
そんな内容だった。
「だから…そんな顔しないで?」
最後にそう言われて、私ははっと両手で顔を抑えた。
どんな顔してたんだろう。
嫌な顔をしていたのかも!
きっとすごく失礼だったかもしれない…
謝らなくちゃ!
「あ、あのっ」
声を出すと同時に、夢主(姉)先輩はくすくすと笑い出した。
「あはは。ごめんごめん。焦ってる千鶴ちゃんてかわいいね。大丈夫大丈夫!怖がってるかな?と思って言ってみただけだから。」
なんだか顔が熱くなる。
「千鶴ちゃん顔赤いよ?ごめんごめん!意地悪だったかな?」
な、なんだか夢主(姉)先輩って誰かににてるような………
っていうか!!!!先輩に気持ち知られてたなんて…
それに私が先輩に対して感じた不安までわかっちゃってたなんて!
「う~……」
いろいろ恥ずかしくて、言葉がでてこなくなって私は唸る私に、
「ってことで、よろしくね~!部員と先生合わせて30人とか…まじどんな大きな鍋で作るんだろうね?がんばろ~!」
と、とっても明るく言うものだから、私もくすくすと笑ってしまった。
斎藤先輩とお付き合いしてた人で・・・
少し派手な雰囲気もしていて・・・
なんだか近づき難いって思っていたけれど、夢主(妹)ちゃんと似てるな・・・こういう所。
「ねえねえ千鶴ちゃん――――」
さっきまでの気まずい空気はすっかりなくなって、まるでずっと前から仲がよかったかのように、私達は合宿中の献立について話し合った。
きっと…
合宿中に、斎藤先輩と夢主(姉)先輩が話しをしている所を見てしまったら、私は絶対落ち込むと思うけれど…
やっぱり合宿は楽しみだな。
夢主(姉)先輩の登場で忘れていたわくわく感が、再び戻ってきた。
楽しい合宿になりますように…
教室の窓から見える澄んだ青い空に、そっと願った。