第7章 横暴な要求
期末テストの最後の科目が終われば、今日は剣道部の合宿説明会。
楽しみだなぁ。
私の頭の中をそればかりが占めてしまうほど、「合宿」という響きに心が弾んでしまう。
「千鶴っ!早く行こう!」
ふふふ。
夢主(妹)ちゃんも楽しみみたいで、うきうきとしてるのがよくわかった。
合宿説明会の教室へ私達は急ぐ。
教室に入ると先輩達はほとんど来ていた。
その中に斎藤先輩の姿を見つけて、思わずドキドキしてしまう。
教室に入った私達をちらりと見た斎藤先輩と、一瞬目が合って、さらにドキドキする。
「――以上で、だいたいの説明はおしまいだよ。質問はあるかい?」
質問はないのだけれど…自炊…3泊4日分の皆さんの食事を私が作るってことだよね?
だ、大丈夫かな…
頑張らないと。。。
そう自分に気合いを入れていると、
「総司、マネージャーの件はどうなったんだい?」
「まさか千鶴一人に全部やらせる気か?あれほど考えろっつったろうが。」
なんだか沖田先輩に井上先生と土方先生が詰め寄ってる。
「当番制にするのかい?それならそれで構わないが…」
「マネージャー一人っつーのは酷だな。俺も手伝うぜ?」
当番表を作ろうね、と井上先生が、そして手伝ってくださると原田先生は言ってくれた。
私一人が炊事洗濯係になるのは大変だと思ってくださってるみたい。
当番制にしてしまったら、お稽古で疲れてる中いろいろやらなくてはいけなくて・・・
皆さんが大変になっちゃう!
「大丈夫です!私がんばりますから!」
先生達に向かって言ったつもりが、思いの外、大きな声が出てしまって、先生達からも部員のみなさんからも注目を浴びてしまった。
注目をあびてしまってうつむいていると、沖田先輩の「はぁ~」とわざとらしい溜息が聞こえる。
「ちゃんと考えてますよ。まぁ、合宿限定のマネージャーを一人増やすだけですけど…。」
「なんだい総司。決まってるなら今日の説明会に参加させてくれと言ってあったじゃないか。」
「来てますよ…。はぁもう…」