第5章 夏の暑さと恋模様
「手繋いじゃって仲良いね」
後ろからお姉ちゃんの声がした。
ちょっと・・・お姉ちゃん後ろ歩いてたのか!!
「夢主(姉)ちゃん、邪魔しないでよ。今からお別れのキスをする所だったのに。」
「キッ?ええ?」
あたふたする私を差し置いて…
「どうぞこゆっくり~。」
そう言って先に玄関を開けるお姉ちゃん。
「ははは。夢主(妹)ちゃん真っ赤だよ。そんなにかわいいとほんとにキスしたくなっちゃうけど、夢主(姉)ちゃんが邪魔だから帰るね。」
沖田先輩はそう言って、ひらひらと手を振りながら歩き出す。
はぁ…私は大きな溜息をついた。
やっぱり…沖田先輩にとって、私はなんなのだろう…
さっき考えるのをやめたはずのことに再び脳内を支配されて、玄関の段差につまづいてしまった。