• テキストサイズ

【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第5章 夏の暑さと恋模様


雪村への感情が、日に日に大きくなっていく。

…雪村…知っているか?

俺が、部活が休みであるから、しばらくは一緒に下校することもないだろう…と、残念に思っていたことを。

稽古中、背後に感じたあんた気配に、心が弾んでしまったことを。


こうして何気ない会話をして、二人で歩く帰り道が、俺は嬉しくてしかたない。


「明日は数学なんです。数学は苦手なので帰ったら頑張らないと。」

難しい顔をして、ぶつぶつと話す雪村の横顔をじっと見つめる。

その視線に気がついて、

「?」

首を傾げて俺を見上げる。


なんて可愛らしいものだろう。


目を細めて、そのまま見つめていれば、みるみる赤くなって目をそらされてしまった。


今すぐにでも、気持ちを伝えてしまった方がいいのだろうか?


だが…まだ早い。


大切に育てたいのだ…この気持ちを。


雪村の家の前で、また明日、と告げて別れる。

明日はもっと、明後日はさらにもっと…この気持ちが大きくなるのだろうか。

未だ想いが通じ合っているわけではないというのに、俺は浮足立つ感情でいっぱいだ。

そういえば、明日は数学だと言っていたな。

帰宅したら、永倉先生のテストの傾向や特徴を雪村にLINEしようか。



時間をかけて、沢山話をするとしよう。

大切にしたいと思う気持ちだから。
/ 255ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp