第4章 葉は緑、空は雨色
「総司?ああ…全然違うの。妹のお弁当を届けにきただけ。総司のお友達?」
そう聞けば、再び笑みが戻った。
「試合を見に来たんじゃないのか?おもしろい。沖田の事は知っているんだな。」
だってクラスが同じだもの、と答えれば、そうか、と一言だけ返ってきた。
「おい!風間!」
「探しましたよ、風間。」
怖い顔の人の後ろから声がして、白い学ラン姿の二人組がこちらに走ってくるのが見えた。
「風間クンっていうんだ?探されてるよ?」
声が聞こえても、ちらりと振り返っただけで、走って来る二人組に気を留めていない怖い顔…じゃなくて…風間クンに声をかけて、
「それじゃ、ぶつかってごめんね〜」
と付け足して手を振って歩き出す。
走って来る二人組とすれ違った時に、なんとなく会釈をして、通り過ぎた。
あ、そういえばおでこ…
鞄から鏡を出して確認すると、ほんのすこしだけ赤くなってた。
白い学ランに金髪の…風間クン…なんだか整った顔がすごい怖かったな…でも悪い人じゃなさそう。
総司のお友達なのかな?今度聞いてみよう。
雨はすっかり止んでいて、すこしだけ青空が見える。
学校が無い日以外に、学校関係の場所に行くなんて今までした事なかった。
平日とは違った雰囲気の電車に乗って、最寄り駅まで。
ブブ
LINEを知らせるバイブが鳴って、スマホ画面を見てみると、
「お姉ちゃんありがとう!平助先輩から受け取ったよ!」
と、お弁当の到着を知らせたてくれた。
「藤堂クンによろしくー」
と、それだけ送って、画面を閉じた。