第3章 episode１　23歳のJr.と4歳の女の子

＿白桜さくら学園


「......ここか、白桜さくら学園。」



「......。」



「ここだろ？お前が住んでるとこ。」



「......ん、今日来たの。」



「へぇ......んじゃ俺はこれで、」
(けど俺はもう関係ねぇな、さっさと帰ろー)



＿ｷﾞｭﾑ...



「......え？(汗)」



また袖を掴まれた......。



「もう、行っちゃうの？」



「もう行くって何も......俺は君をここに送って行っただけ！
これ以上施設の人達に迷惑かけんなよ？今日来たって言うなら尚更だろ。」



「......パパもママもいないの。」



「......誰も、いないのか？」



「ん......結月、寂しいの......」



結月ちゃんはそのまま俯いた。



ｷｭｰﾝ「......。」
(なんか可愛い......)



不覚にも可愛いと思ってしまった自分がいた。



なんというか、放っておけない感じがまた......



ちょっと、もう少しこの子と話していたいって思った。



「......おにい、ちゃん」



＿ｷｭｰﾝ「......。」



本日二度目のキューン、俺一人っ子だから、



お兄ちゃんなんて呼ばれることなんてなかった。



だからなおさら嬉しく感じた......。



結月ちゃん、同じくらいの子供からしたら



かなり大人しい子で表情から気持ちが読みづらい。



でも逆にそれが可愛いとも思った。



「......。」
(持ち帰れるのなら持ち帰りたい。)←



それくらい一つ一つの仕草が可愛かった。



そんな時...







「っ結月ちゃん！
どこいっていたのよ！？みんなで探していたのよ！？」



施設の中からひとりの女の人が出てきた。



恐らくここの職員の人だとおもう。



大人なら子供ちゃんと見とけってーの......



「パパとママを探していたの......」



「っ結月ちゃん、パパとママはね？
っ......もう、いないのよ？今日から、ここがあなたのおうちよ。」



「っあの......」



「あら、もしかして結月ちゃんを連れてきてくれたの？」



「えっと、まぁ......」