第4章 episode2 家族になりたい
サトオヤ......里親?
なんで......たった3週間なのに?
なんでだよ......
「っそれ、どういうことっすか!
いくらなんでも、早すぎる.......」
「っ落ち着いてくれ北山君......まだ、引き取ると決まったわけじゃない。
それを決めるのは、結月なんだ。
私でも、
里親でも......
君でもない。
結月自身が、
誰と家族になりたいかを決めるんだ。」
「っ......」
っそりゃ、そうだよな......結月ちゃんが、
決めること......だから、
誰に引き取られようが......
俺があれこれ言う資格はないんだ、よな?
「......ちょっと、様子を見てみるかい?
今来ている里親候補の家族は、
以前にもここの施設から子供を引き取ってくれた家族なんだ。
家もそれなりに裕福で、奥さんの方は子供ができない体なんだ。
それも考えると、もうひとりくらい子供が欲しいと思うだろう......」
「っそれは......」
結月ちゃんが、その人達に引き取れるということ......
「でもそれを決めるのは結月だ。
君が気を落とすことはない......」
「っでも!結月ちゃんがそこに行きたいって言ったら......」
「......あぁ、そこに引き取られることになる。」
「っ......やっぱり、」
やっぱり俺は、
結月ちゃんの家族にはなれねぇの?
「っやっぱり、俺じゃダメっすよね(苦笑)」
「え?」
「っ俺じゃ、結月の親代わりなんてなれないっすよね(苦笑)
きっと、そこの家族に引き取られたほうが幸せ、ですよね......」
「っ北山君......」
「もし、自分に余裕があったら引き取りたいだなんて
軽い気持ちを作った俺が馬鹿d.「っそれは、違う。」...ぇ?」
「北山君、その考え方は.......
違うよ。」