第4章 episode2 家族になりたい
「北山君、その考え方は......違うよ。」
「へ?」
「君が、結月を引き取りたいと聞いて、私は喜んでいるんだ(微笑)」
「っよろこ...っなん、で......」
「......君には、十分に結月の親代わりになれるんじゃないかと、
初めて会った日から思っていたんだ......」
「っえ?」
なんで、俺なんかが......
「子供の幸せは......貧富や地位などだけで決まるわけじゃない。
誰といることで幸せか、これが子供の幸せだ......親の愛さえあれば、
必要以上にお金なんて必要ない。親が、どれだけ子供に愛情を注ぐかだ。」
「......。」
「......君は、結月を大切に思っている。この短い時間でね......
結月もまた、君に心を開いている......」
「っ結月、ちゃんが......?」
「あぁ、だから君が結月を引き取りたいって言うなら......
まだ全然間に合う(微笑)」
「っ......」
「......行ってみよう、結月の元へ。
そこで、結月の未来が左右される......」
「っ......はい!」
こうして宏光は結月の元に行くことにした。
_学園のある部屋
「この子が、3週間前に来た桜野結月です。」
「......。」
「さぁ結月ちゃん、あいさつを四天王寺さんご一家の方にあいさつを。」
「......桜野結月、なの。」
「なのではなく、ですよ?」
「......結月、です。」
「初めまして結月ちゃん、私は四天王寺始だ。」
「妻の梓乃です、こんにちは結月ちゃん(微笑)
ほら、咲夜もあいさつを結月ちゃんにしなさい。」
「えっと、初めまして。
僕は四天王寺咲夜です。」
「咲夜君は、結月ちゃんがここに来る前に四天王寺御夫妻に引き取られたの。
丁度、貴女よりふたつ年上よ。」
「......結月なの。」
「......咲夜だよ(微笑)」
「咲夜と、仲良くやってくれそうだな(微笑)」