第3章 episode1 23歳のJr.と4歳の女の子
「高い高い、高い高い......」
「わ、わかった!高い高いすればいいんだろ?」
_コクッ「ん...高い高い、なの。」
「っほら!...高い高ーい、高い高ーい......」
(なんか、ハズい......!)
「......。」
「っ!?」
(無表情!?)
高い高いしてるにも関わらず結月ちゃん無表情......
ってか普段から無表情なんだけども(苦笑)
喜んでいるのかいないのかわからん......(汗)
でも......
「高いたかーい高いたかーい、」
「高い高い、なの......」
結月ちゃんは若干頬を染めていた。
「......。」
(これは......楽しんでる?)
どうやら楽しんではいるらしい。
「......パパ。」
「ぱ、パパ!?」
「パパみたいなの。」
「お、おう......」
(突然パパって言われたからびっくりしたわ......汗)
「パパ、いつも高い高いしてくれたの。
高い高いしたあと、ぎゅっとしたの。
ぎゅっとして?」
「......。」
(なんか俺、お父さんに重ねられてる......?(汗))
でも結月ちゃんが抱っこしてほしいって言ってるし...
_ぎゅ...
「ぎゅっ......なの。」
俺は結月ちゃんを高い高いしたあと抱きしめた。
「パパみたい?」
「ん、パパみたいなの......」_ぎゅうぅぅ
結月ちゃんは首元に腕を回してぎゅっとしてきた。
結月ちゃんの頭にはアホ毛がある。そのアホ毛をくるくると回していていた。
「......。」
(可愛い......)
しばらく首に腕を回していたので俺はそのまま抱きしめていた。
家族がいない寂しさから、こういう俺みたいな他人に甘えたくなるのかな?
俺じゃなくても、別の奴が同じ立場だったら結月ちゃんも今みたいに
その人に抱きつくのかな?
そう思うとなんか虚しいなぁ......俺が、
この子の兄貴にでもなれたら......いや、むしろパパでもいいかもしれない。
こうして、俺をパパと類似させているし......