第1章 あたしと忠義
ちっさい頃からずっと一緒
気付いたら隣にいてる
高校も一緒
親同士も仲良くて、家族ぐるみで旅行に行ったり
出かけたりもよくしてる
お互い一人っ子やから兄弟みたいに育った
今日も朝から忠義を起こしに家に行き
一緒に登校する
地元の駅までの道のりが一番好き
忠義が漕ぐ自転車の後ろに乗って、駅まで一緒に行く
この時間が
電車に乗って、最寄駅から学校までが一番嫌いな道のり
忠義は、女子にめっちゃ人気があるから
女子がほぼ全員あたしを睨みつけて行く
忠義は、朝は半分寝ながら登校してるから気付いてへんのかも(笑)
学校では、クラスが違うからお互いの事あんま知らん
下足室から1年生のクラスがある4階に上がって
あたしは、右
忠義は、左に行く
そこからは、お互いが知らん世界
あたしは、いつも通りに教室に行く
途中、忠義のことが好きなんやろうなって子に
忠義の連絡先を聞かれた
A子「あのさ・・・倉谷さんって、大倉くんの彼女ちゃうやんな?大倉くんの連絡先教えて貰われへんかな?」
『ごめん。忠義に勝手に教えんといてって言われてるねんなぁ。忠義に直接聞いてみてくれん?』
あたしの中では、めっちゃ丁寧にお断りしたつもりが
A子「あっそ。彼女面して。笑える。」
そう言われてスルーして教室に入り
仲よしの友達のモモのとこに行く
『おはよう』
モモ「おつかれさん。笑」
『ほんま、毎日疲れるわぁー』
モモ「大倉くん、背高いしカッコいいししゃーないわ」
『はぁ・・・みんな見るな!!って言いたくなるわ。』
モモは、中学からの友達で、この高校で唯一の友達
他の女子は、忠義と仲良しってだけで
去って行った
最初は、忠義と仲良くしたいから近寄って来たけど
あたしが、こんなんやから
どっか行った。笑
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