第2章 裏表チェンジャーⅡ
「今の話は気にしねぇでいいでさァ、長く引き止めて悪ィな。」
すると突然、沖田は自分から話を切り上げた。
「...? どうしたんですか?」
「いや、この以上話してたら日が暮れちまいまさァ」
「まだ四時前ですし、時間なら大丈夫ですよ。」
早くこの場を終えたいと思ってる山崎とは
反対に真衣は沖田を気遣う。
「じゃな、巡回二人で行ってきなせェ。」
「沖田さ...」
最後まで切なそうに演技を続ける沖田に山崎は
嫌悪感を抱くも、これでやっと巡回に行けると思うと
少しばかりは気が晴れた。
「さ、俺達も巡回行こうか。」
「ぁ、はい...」
山崎はやっと嵐が過ぎたように安堵の溜息をついた。
沖田の背中を切なそうに見ている真衣に
少し可哀想だと感じつつも、
町を歩きながら事実を教えてあげればいいと思い
山崎はあえて急ぐ事はしなかった。
巡回に行こうと一言声をかけ、返事か返ってきたので
真衣もすぐ付いてくると思い、山崎が半歩先に
歩き出したが真衣はその場から動こうとしない。
そして今度は真衣が行動を起こした。