第1章 裏表チェンジャーⅠ
俺には好きな人がいる。
真田真衣。
彼女は真選組唯一の女隊士で
女性と言う武器を兼ね備えて
いる為、隠密部隊に抜擢された。
真衣は剣の腕も高く
本当なら一番隊に所属する筈だったが、
本人たっての希望で俺の部下になった。
その時は飛び上がる程喜んだ
真衣も、もしかしたら同じ気持ち
なのかな、なんて自意識過剰になってしまった。
だが、彼女はただ観察という仕事に熱意を持っているだけで
俺なんて上司又は優しいお兄ちゃん程度にしか
思われていなかったらしい。
それに真衣は誰にでも優しく平等に接する子で
それに漬け込み、変に気を持って近寄る隊士達もいた。
府しだらで陰湿極まりない。
だから俺はそんな奴から真衣を守ると決めたんだ。
なんて、本当は他の奴と真衣が仲良くしてるのが
気に入らないだけなんだけど。
山崎は巡回から帰ると真衣の部屋に向かった。
書類整理をしなきゃいけないと言っていたから
手伝ってあげようと思って。
途中、真衣の部屋に繋がる廊下で
見慣れた姿が見えた。
「ぁ、真衣!」
山崎はその姿に向かって手を振る
自然と歩くスピードも早くなった
「退君っ」
真衣も笑顔で手を振り返してくれる
と、真衣の隣には真選組屯所に
似つかわしくない人物が立っていた。
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