NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
───────
────
『…風俗の店に売られてからは色々あったし、女を磨く努力もいっぱいした。女将や姉さん達は私にとって家族みたいになってたんだ…そのうち私はみんなのために働こうと思うようになった。小さい頃から、姉さん達の夢物語に付き合ってきたからね』
ふっと微笑む
俯いていた顔は少し上がっていた
『“私の幸せはみんなの幸せ”私は私で幸せになってくれる人がいることを幸せなんだと思った。“いらない”って人に言われない、それが幸せだと思ってたんだ』
けど、それは“必要”って言っているわけじゃないんだ
そのことに気づくにはまだ私は幼かった
『…姉さん達はたっくさんお金を稼いで、そんでいい男を捕まえて買ってもらうんだ、って言ってた。だからきっと私もそうなれば幸せなんだっても思ったりした』
けど…
『私人気だったからさ、買おうとする人はいっぱいいるわけ。けど女将はどんな億万長者でもそれを断った。なんでかわかる?』
「……売っちまったら、お前で稼いできたのができなくなっちまう、つーことか?」
『…まぁ、そんな感じ。けどね、女将はもっと上をいってたんだよ』
私の言葉にクエスチョンマークをいくつか浮かべるロン毛
それを少し笑いながら言い放つ
『一言で言うならば出張風俗。…まぁ、デリヘルみたいなもんだ』
「お前んとこの女将は余程スケールがデケェんだなぁ…」
少し驚いた様子のロン毛。私も最初聞いた時はビックリしたよ
『出張すんのは私だけだったけどね』
「はぁ??」
まぁ、普通はそういう反応だろう
私も同じだった←
『要はね、店で一番人気の高い私を出張させる。つまり普通の料金+他の金もかかるわけだ。タダでさえ私は高いのに出張料金なんてつけたらもっとでしょ?そこを女将は狙ったのさ』
私の説明を聞いて、考え込むようにロン毛は顎に手を当てた
『………?』
「…………」
暫くの沈黙
「……それで儲けたのはわかった…が、お前はどうだったんだぁ?」
単純な質問だった
作戦隊長という役柄のせいか、いつも質問する時は言葉の意図と裏を探って聞いてくる彼だが、今のはただ単純に聞きたいと思ったのだろう。そういう質問だった