• テキストサイズ

NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】

第7章 約束だから







「お前もボスに用か」


ボスの部屋の前まで来ると、ロン毛が振り返って問うた


『そだよ。先約ってやつ』


意味深に笑えば、ロン毛から鼻で笑って返ってくる





ドアノブに手を掛け傾ければ、割と古そうな音がした。



そして、ドアから少しずつ見えたボスの姿は相変わらずだった。



「帰ってきやがったか」

『帰ってきたら悪いですか』

「おい、叶風!口の聞き方に気をつけろォ!」


仲裁に入るロン毛は見ていて面白いので結構お気に入りの遊びだ


「まぁ、いい…カス鮫、報告したら戻れ」

「これが今回の報告書だァ」


1枚の紙を渡すとドアの方へ向きを変える


闇金だとかあのお屋敷だとか今後の気になることが沢山あるが、それは全てあの報告書に詰まっているらしい



「ボス。あんまり叶風を捕まえとくんじゃねぇぞ」

「……とっとと行けカス鮫」


へいへい、と部屋からロン毛が出ていく間際、視線がこちらに向いていたような気がした



気の所為かな


というか、さっきのどういう意味なんだろ…



「で、テメェはわざわざ聞きに来たわけか」


今度はボスからの視線に目線を戻した


『約束ですし』

「フッ、座れ」


指示通り椅子に腰掛けると1枚の紙を渡される


「それが“風の使者”に関する情報と資料だ」


1枚のプリントには私の顔写真やプロフィール、“風の使者”についてビッシリ書かれていた



逆に言えば、たった一枚の紙切れにしか収まらなかった少ない情報ということではあるが



『ありがとうございます、ボス』


「後は勝手にそれ読んどけ。俺の知っている情報もそこに載っている」


『りょーかいです』


席を立ち、部屋を出ようと背を向けた時だった


「…飲むか」


疑問形とは言い難い、命令形な問いかけ。ボスらしいと言えばボスらしいが


『今日は遠慮しときます』


顔だけ振り向き、軽く笑って部屋を出た







そしてもう1度プリントに視線を落とす









これが、私の…“風の使者”の情報、か…

/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp