【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
【一松】
自分は愛されてた。
愛されてたことに気づかなかった飢えたヒロインだった。
そして、そのヒーロー…悪魔はいなくなった。
いなくなって、悪魔の力を借りることは無かった。
自分の力で生きなさいみたいな…神様のお告げみたいな感じ。
…今までジメジメして、暗くて、カラ松神父に頼りきりだった自分。
だけどおそ松がいなくなってから、不思議と体の中にやる気がふつふつと湧き上がった。
もしかしてカラ松神父の願いって……
「シスター一松、大丈夫ですか?」
「えっ…!?あ、はい、はい……」
突然のシスターの声に、慌てて裏返った声。今日は2人で買い物。
「後輩に敬語なんて、私が気不味いですよ?ほら、荷物、貸してください!」
シスターが手を差し伸べる。いつも何も言えなかった自分。だけど…
「…ううん、後輩に、女子に荷物持ってもらうこと、出来ないからっ…!」
緊迫した間、シスターはそれにニコッと笑った。
「なぁんだ、先輩に媚売ろうと思ったのに」
その会話に、初めて、人と話すのが『楽しい』と思った。
「…先輩に媚売っても何も出ないからな?」
何年ぶりだろう。自分は
笑った。