【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
「う、そ…」
勢いとはいえ、兄の翼を斬ってしまった。
翼は機能を失くしたように、くたりと倒れる。
チョロ松兄さんは、2、3歩後ろに下がって、その場にへたりこんだ。
ガラスが痛いのに、それに構いもせず。
「…え?僕の、はね…?」
羽から血がでる。
悪魔の羽って、そんなに大事なものなの?
そもそも、羽に血があることすら知らなかった僕。考えたら、羽も立派な体の一部。
堕天使は、羽を根元から抜くけど、中途半端に斬られたら、どうなんだ??
「チョロ松……?」
おそ松兄さんは落ちた羽を拾う。くっつきもしないのに、羽同士を合わせる。
十四松兄さんもそんな兄さんについてきた。
「ちょ…チョロ松兄さん…大丈夫…なの?」
チョロ松兄さんは黙って、首を横に振る。
「トド松…なんで…?」
「ごめんなさいごめんなさいっ!!」
どうなるかも分からず謝った。
「悪魔って、どうやったら治るの…ねぇ、兄さん…?」
チョロ松兄さんに問い掛けたのに、おそ松兄さんが答えた。
「…人間の、キス…?」