【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
【チョロ松】
「兄さんは、人間が好きなの?僕らなんかより。」
槍を抜く。グロテスクな血が、胸元から溢れた。
僕らは死者なんだから、死者が死ぬなんてありえないのを知っている。
それだから、兄さんを刺した。僕の辛さを分かって欲しくて。
人間と関わった事の重さを、理解して欲しくて。
「…人間、好きだよ。素直だし、賢いし、楽しいし。実の兄貴を刺す弟よりは、ずっと可愛いよ。」
「………!」
最低だ。兄さんの事だから、他人より、僕らの方が…
「信じてたのにな…」
「…俺もお前を信じてたよ。悪魔になんかならずに、純粋な奴だと思った。お前は一体、なにしたの?」
僕は唇をぎゅっと噛んだ。