【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第7章 終わりが傍まで、ついてくる。
【トド松】
黙々と、夕食を食べていた。
誰も喋らず、野菜を上品に切り分け、パンをちぎる。
そんな中で、カラ松神父は声をあげた。
「シスター、話があるのだが。」
「神父、食事中くらい、黙って食べましょうよ。行儀が悪いですよ。」
「承知の上で、聞いてくれるか。」
僕の注意も全く聞かず、神父は主張する。
今日と明日は忙しいんだから、世間話はよして欲しいのに。
でも、この時間しかシスターと話す時間がないのだから、いいか。
皆、静かに食べているので大声を出さなくても、充分に全員に声が届く。
そこで神父は、まっすぐに刺さるような眼でこう言った。
「シスター一松を、お前達は覚えてるか?」
「はい…、シスター一松がどうしたのですか?」
行方不明と言われたシスター一松。死んでしまったとか、教会を辞めたとか、様々な噂がたった一松。
「シスター一松は…生きている。」
彼が生きていたという報告を聞いた僕以外のシスター達は、それはそれは
昔の兄さんのような、優しいほほえみだった。