藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第5章 ♡Story52♡ 彼氏と、元イジメられっ子
_それから10分後
「......。」
太輔は読みかけだった小説を読んでいた。
「ふぅ!いい湯加減だったぁ♪」
タオルで頭を拭きながら百合がリビングに入ってきた。
「ねぇ!何の小説読んでんの?」
「湊かなえ。」
「ほぉほぉ!」
「......お前髪が濡れっぱなし、髪乾かしてやるからちょっと待ってろ。」
太輔はソファーから立ち上がり、ドライヤーを取りに洗面所に向かった。
「へ?急にどした(苦笑)」
「......別に、ただの気まぐれ。」
「......変なの!」
「......いいからこっち来い。
風邪引くぞ。」
「......うん。」
(ホントにどうした?(苦笑))
百合は疑問に思いながらも太輔のところへ歩み寄った。
「ほら、こっち座れ。」
「はぁい......太輔、ホントどした?(苦笑)」
百合は太輔の前に座り、顔を見上げた。
「っだから気まぐれだって言ってんだろ......」
「ふぅん......まぁ今日は自分で乾かさなくていいからラッキー!☆」
そして太輔は百合の髪を乾かしていった。
「......。」
(シャンプーの香り......いい匂いがする......)
百合の髪からはフローラルの香りがほどよく漂っていた。
(百合ってこんなシャンプー使っていたっけ?)
そんなことを思いながら乾かしていった。
「ねぇねぇ!私最近シャンプー変えたの!
気づいてる?」
「ぇ、あぁ......直接乾かしてるからなんとなく......」
「今まではローズの香りにしてたんだけど、
ちょっとこっちが気になって買ってみたの♪」
「ふぅん......」
「丁度RABBITでも掲載されててさぁ~
前々から気になっていたの!これで彼氏もイ・チ・コ・ロ...よ♡←
......どお!?」
「......あっそ。」
「反応薄い!
シャンプーの香り、気づいて褒めてくれると彼女はスゴい喜ぶのに......」
「......。」
(っんなの、ハズくて言えねぇよ......)
太輔は心の中で思うのが精一杯だった。