藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第5章 ♡Story52♡ 彼氏と、元イジメられっ子
_九条家
「はい!...はい!
これは2階の一番右奥に置いてきなさい。」
「あぁ......」
和真は母からダンボールを渡され2階に上がっていった。
「一番右奥っと......ん?」
一番右奥の部屋にはひとつ窓があった。
丁度そこからは、百合が入っていったマンションが見えた。
和真はダンボールを床に置き足を窓際に進めた。
窓から見えるマンション、マンションと家はそこまで離れていない距離。
目を張るめかせばなんとなく様子が見える距離......
「......。」
アイツがどこかの部屋に、暮らしている......なんとも複雑な状況だ。
しかも、あんな光景を見たあとに......
しばらく窓の外を眺めたあと和真は自分の部屋に入っていった。
_ばふっ...
「......はぁ......」
和真はベッドに落ちるように倒れ込んだ。
視線を机に目をやれば、先ほど持ち帰ってきたうさぎのぬいぐるみが置いてあった......
「......百合......」
自然と“百合”という言葉が出ていた......
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『かーずまくん!
あーそーぼ!!』
『うん!』
『あら百合ちゃん!今日も来てくれたの?』
『はい!和真君!今日はお外で遊ぼうよ!』
『うん!今行くね百合ちゃん!』
『和真君!今日は公園で砂遊びしようよ!』
『うん!何作る?』
『うぅん......砂のお城!』
『いいねぇ!おっきなお城つくろぉ!』
『おお!』
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『いい感じ♪
ねぇ!水も流れるように周りの砂掘ってみよ!』
『うん!』
『じゃあ私、向こうの蛇口でお水くんでくる!』
『わかった、じゃあ僕は先に掘ってるね!』
『はーいっ♪』
百合は水を汲むべく蛇口があるところへ走っていった。
『よーし、沢山掘って百合ちゃん驚かすぞ!』
和真がスコップで砂を掘り始めた時...
『......あれ?泣き虫和真くんじゃん!
そんなとこで砂遊びとか女かよ(笑)』
『っぅ......』