藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第24章 ♡FinalStory♡ 消えないキズナ
「そして僕が教育実習を終える日は、ずっと泣いていて、
僕を最後まで見送ってくれました。
それきり、僕たちが会うことは当然ありませんでした。
でも3年前に僕たちは偶然にも再会を果たしました。それは本当に偶然で、
百合が声をかけてきたのがきっかけです。きっとそれがなければ、
僕たちはただすれ違い、今でも他人の関係だっただと思います。
その再会以降、僕は不覚にも彼女が気になっていました。
そして2年前、僕が紫鶴大学に務めてまだ間もない頃、
百合が来ました。大勢の学生に、注目されながらもただ僕にだけ手を振って、
僕のもとに走ってきました。当時は『なんで』という気持ちが強かったですが、
今思えば、彼女のそういったところに惹かれていたんだと思います。
一見、百合の一方的な片思いという見方をする人も多いかと思います。
でも実際は、僕自身の方が、百合に惹かれていました。
当時の自分は、自分に正直にならず臆病でした。でも百合は、
いつも、僕を引っ張ってくれて、積極的にコミュニケーションを取ってくれました。
僕は、そんな彼女を尊敬しながら、生涯愛する妻として愛しています。
俺は、百合以外の女性を好きになることはないし、当然百合の死後、
再婚する気もさらさらありません。
ただ、娘のゆりと共に生き、百合だけをひとりの女性として愛します。
長くなりましたが、ここで締めさせていただきます。
つたない挨拶ではございましたが、もう一度、
みなさまに心より感謝申し上げます。」
「っ太輔……」
(思い出、沢山あったよね……今ここで語られなかったことも……今語ったことも……
私には、全部が宝物だよ……微笑)
「っ……はぁ、」
「お疲れ様太輔、凄くよかったよ(微笑)
でも改めて言われると恥ずかしかったよ(苦笑)」
「俺も……メチャ恥ずかしかったよ……(苦笑)」
「うーうー♪」
そして披露宴は退場だけとなったが、ゲストテーブルひとつひとつを周り
感謝の言葉を述べながら退場したのだった。