藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第23章 ♡Story70♡ ココにいるキセキ
「ぇへ…(微笑)」
「ゆりたん笑ってりゅの♪」
「先生、百合ちゃん見習って頑張ってください(笑)」
「……はい、」
「まぁ太輔もすぐ慣れるよ!
ゆり、抱っこしてみたら?」
「……。」
百合からゆりを渡される太輔。
「ゆりー、この人があなたのパパでちゅよー?」
「ふぇ?」
太輔に抱かれ、ゆりはきょとんとしていた。
どうやらまだパパだという実感がないらしい。
「ぅ、うぅ……(泣)」
「っちょ、また泣き出す!この子、人見知りなのね(苦笑)
ちょっと太輔、黙ってないで何か言ってみたら?」
「ぇ!あ、あぁ……えっと……」
「……ったく、しょうのない人(苦笑)
……北山先生小夜さん、少しだけ外行きません?私、あまり外行けないんですよ(苦笑)
だから外の空気吸いたいなーって……でも、ひとりで出るのダメなんですよ(汗)」
「おっけー!引率すればいいってことね(笑)」
「天気も晴れてるし、行きましょうか。来海、一緒にお外に行きましょう。」
「いくぅ♪」
「え!っちょ……」
「太輔、ちゃんとゆりを見ててよね?
10分15分くらいで戻ってくるから。」
「ふぇっ…ぇ、ぇ…(泣)」
「っ……」
「ほーら!また大泣きしちゃうよ?
じゃ!また後でね♪」
「っちょ!」
百合はウインクをすると宏光らと共に外へ出かけて行った。
そして取り残された太輔、病室にはパパと娘の二人だけとなった。
「ぇ、ぇ、ぇぇん……(泣)」
「っゆり…!
っ…よしよーし……よしよーし……」_とんとん
背中を優しく叩きながらあやす太輔。
「っママがいなくて、寂しいか?
しばらくしたら、戻ってくるからな……それまでは、パパが、いるから……」
「ふぇ……?」
「……立ってるのもあれだから、座るか……」
立っていた太輔は椅子に座った。
「っ……(微笑)
俺が、お前のパパだからな……」
「……?」
「ははっ…まだ、実感ねーよな……」
「ぅ、うぅ……」
ゆりはまだ短い腕をあるものに向かって動かし始めた。