藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第23章 ♡Story70♡ ココにいるキセキ
それから1時間ほど同じ動作を繰り返していた。
「先生……頭以降なかなか出てきませんね……」
「少し、引っ張るしかないか……百合ちゃん、ちょっと手をいれるよ。
痛いかもしれないけど頑張っていきんで。」
「っ……うあぁぁぁぁぁ!!痛い!痛いってば!!いやあぁぁぁぁ!!」
_待合室
「っさっきからずっと百合の叫び声だよ……っねぇ母さん!
百合は本当に大丈夫なの!?」
「裕太、百合を信じなさい。太輔くんも傍にいるのよ?
それに、百合が産みたいっていったのよ。私たちは、
ここで百合達を待つのよ……」
「っ……」
_分娩室
再び1時間が経ち2時間めに突入した。
手を入れた甲斐もあってか、首元が見えてきた。
「よし、時間かかるかもしれないけど確実にやっていくよ……はい!いきんで!」
「んんんーーーーん!!っうぁぁぁぁぁっ!!」
「っよし……!また出てきたぞ……その意気だよ百合ちゃん。
もう体の半分が出ているよ。あと少ししたらこっちから出していくからね。」
「っは、はい……太、輔……」
「あと少しだ、がんばって……ゆりを産むんだろ?
ゆりのためにも、頑張るんだ……」
「っうん……っあぁぁぁぁぁぁ!!」
それからさらに2時間、ようやく引き抜けるところまで来た。
「っよし……今ならいける……!
百合ちゃん、一気に赤ちゃんを取り出すから
1、2、3の3で勢いよくいきむんだ。いいね?」
「っ……_コクっ……」
「佐藤と沖田は百合ちゃんの腕を抑えて。」
「「はい。」」
「よし……1、2、3「っああああああ!!」
百合は今までにないくらいの力で手を握り痛みに耐える。
どれほど痛いかというのかが百合の握り締める手から感じた。
「っ百合……!」
「っよし!!」
「ぇ……」
「おぎゃああ!おぎゃああ!おぎゃあああ!」
「「っ……!」」
「っ先生……やりましたね……」
「っあぁ……百合ちゃん、
おめでとう(微笑)」