藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第23章 ♡Story70♡ ココにいるキセキ
さらにその数ヵ月後の6月末、百合の身体に異変が起きたはじめた……
「っはぁ…!はぁ…!はぁ…!はぁ…!」
(っ動悸だ……い、息が……)
この時は真夜中、動悸は突然起こり百合は過呼吸を起こしていた。
「っ……」
(ナースコール……押さなきゃ……)
右手で首元を抑えながら左手でナースコールのボタンを押す百合。
動悸は未だ収まらない……
_ガラッ「っ玉森さん!」
「はぁはぁはぁ!」
勢いよく入ってきたのは慧であった。
「大丈夫ですか!?」
「はぁはぁはぁ!」
動悸はどんどん強くなっていくばかりであった……
「っ伊野尾さん!薮先生がもうすぐ来ます!」
「わかりました!玉森さん、あと少しだけ辛抱してくださいね……すぐ先生が来ますから……」
「はぁはぁはぁ!」
(っくる、しい……もう、息が続かないよ……ここで、死ぬわけ、には……)
「玉森さん!」
「先生!お願いします!」
「玉森さーん、薬を投入しますよ。
伊野尾、玉森さんの姿勢を整えて。」
「はい。」
百合をベッドに寝かせ薬を投与する準備をする慧。
「っはぁはぁはぁ!」
(ここで死ぬわけには、いかないのよ……!
だって、まだお腹にはゆりが……この子までを、死なせやしない……)
そして薬を投与された百合、徐々に落ち着きを取り戻してきた。
「っはぁ……はぁ……」
(落ち着いてきた……)
「玉森さん、まだ苦しいですか?」
「少し、だけ……でも、大丈夫です……」
「やはり、病状が以前に増して悪化してます……
出産にも、影響が出るかもしれません……」
「でも……産まないよりましです……私は、少しの奇跡でも信じます……最後、まで……」
「玉森さん……」
「なんか、赤ちゃんも時期に生まれてくるような気がします……」
「もしかしたら、数日後には陣痛が来るかもしれませんね……」
「……。」