藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第22章 ♡Story69♡ ふたりが出会えたキセキ
「泣くんじゃねぇよ……」
「ヒック…だって、ぅ……太輔が……太輔が……」
「一旦ここから離れよ?
先生がまだ死んだって決まったわけじゃないんだからさ。」
「…ゃぁ…ぅ.ヒック…やらぁ……」
徹平が説得するが百合は全く動こうとしない。
「たっく……立花、百合ちゃんを医務室に連れて行くから手伝ってくれね?」
「……わかった。」
そう言うと徹平は百合を抱き抱え医務室に連れて行こうとした。
「っやだ!…太輔の傍に…ヒック…いるのぉ……ゃら…太輔……太輔……」
「っ…百合ちゃん!」
百合は必死に抵抗し徹平の腕の中でもがいた。
そんな時、救命士が到着し現場に入ってきた。
「急いで運べ!かなりの重傷かもしれない!」
「「はい!」」
「っ太輔!」
救命士の言葉に反応した百合は降りようとする。
「百合ちゃん!」
涼介は徹平を支えそれを必死に止めた。
「やだ!」
「藤ヶ谷さんは大丈夫だから!絶対助かる!」
「っや…嫌…嫌……嫌……太輔……太輔……」
「志村、早く連れて行こう……」
「あぁ……」
そして少しずつ太輔の元から離されていく百合は徐々に意識を無くしていき
気を失ってしまった。
その後は数時間で目を覚ましたが、百合のショックは収まらなかった……
_現在
「ほーんとあの時はビビりましたよ!
藤ヶ谷先生は血だらけだわ百合ちゃんは精神ぐちゃぐちゃだし……
てか、あれが俺らが初めて会ったシチュエーションだぜ?(苦笑)」
「そういえば、そうですね(苦笑)
その節はお恥ずかしいところを見せてしまいました……」
「いいっていって!でも百合ちゃん、すごい夢にうなされていたよね……
どんな夢見てたの?」
「あーあれは……なんか、誰もいない空間で、ずっと太輔の声が聞こえていたんです。
何度も、私の名前を呼んでいて……でも、私が問いかけても何も答えてくれないんです……」
「ただ、名前を呼んでいただけ?」
「はい……」
「お前……どんな夢見てたんだよ……」
「……あのね?」