第22章 ♡Story６９♡　ふたりが出会えたキセキ

「百合……怪我、は…ない、か……？」



「っうん……なんで庇ったの！？
太輔が、犠牲になるとこ……なかったのに……」



「だって、言っただろ……俺が、お前を守るってよ……」



「っ太輔！」



「とにかく…お前が無事、で…よか……った……」＿ｶﾞｸｯ…



そしてそのまま目を閉じる太輔。



「ぃゃ、太輔……太輔……っいや……っ……いやあぁぁぁぁぁぁぁ！！！」



百合はその場で泣き崩れた……。



「っ太輔！ねぇ太輔ったら！！ﾋｯｸ…ねぇ…ぅ…たぃ、すけぇ……」



「百合ちゃん落ち着いて……もう少しで救急車が来るから……
ここにいるのは危険だよ……」



柊は百合の背中を摩り落ち着かせようとするが…



「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ！！太輔！……ねぇ！
目を、覚ましてよぉ……」



「っ……山田くん、早く百合ちゃんを……！」



「は、はい……百合ちゃん……」



涼介は百合の肩を抱きその場から離れさせようと立たせるが、



「嫌だ！嫌！太輔の傍にいるの！」



百合は傍から離れようとしない。



「今は駄目だよ……一旦医務室に行こ？」



「嫌！」



「百合ちゃん！」



「嫌よ！」



「お願いだから駄々をこねないで……」



「いやぁ……ぃゃ……」



百合はすぐその場に座り込んでしまう。



涼介が困り果てた時、ふたりの青年が現場に駆けつけた。



「一体何があったんですか！？」



「外から凄い音が聞こえて……一体何が？」



「っ実は事故で、照明器具が落ちたんです……」



「そうですk.っ藤ヶ谷先生！？」



「っなんであの人が……」



この日初めて顔を合わせた徹平と団司だった。



そしてしゃがみこんでしまった百合のもとに徹平が歩み寄った。



「っおい、志村！」




「ﾋｯｸ…ﾋｯｸ……」



「……。」



そして徹平は百合の前にしゃがみ込む。



「……っ太s.＿ぽんっ「俺は藤ヶ谷先生じゃねぇよ……」
……？」



徹平は百合の頭に手をぽんと乗せながら言う。



「俺は志村徹平、ちゃんとした名前があるの！
ってか、泣くんじゃねよ……」