藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第22章 ♡Story69♡ ふたりが出会えたキセキ
_卒業式
あの日以来はじめての再会、だが朝から卒業式だったので話す時間はほとんどなかった。
「藤ヶ谷太輔、」
「はい。」
本来であれば百合が生徒の点呼をするはずだったが、
百合は声が出ないためかわりに学年主任の先生が点呼をとっていた。
「卒業、おめでとう。」
そして昨年度校長に就任した恭吾から卒業証書を受け取り自分の席へ戻った。
『……(微笑)』
百合は微笑みながら自分の生徒たちが卒業証書を受け取る姿を見つめていた。
式終了……生徒たちが両親らとともに学校を去っていく中、
百合は両親と帰ろうとしていた太輔の肩をとんとんと叩き呼び止めた。
_とんとん『藤ヶ谷くん、』
「っ!?
し、白咲先生……」
『……(微笑)』
「あらま……太輔、お母さんたちは先に校門に行ってるわよ?」
「え!……あ、あぁ……」
何かを察した両親はふたりのそばを離れていった。
「っあの…『これ……』ぇ……?」
百合は一通の手紙を太輔に渡した。
「っ先生……これは……?」
『私の、気持ちよ(微笑)
でも、家に帰ったら読んでね?恥ずかしいから(笑)』
「っ……」
『藤ヶ谷くん、貴方は本当に頑張ったわね(微笑)
私も誇らしいわ。』
「っそんな…俺は……」
『あの時の気持ちも、充分嬉しい(微笑)
でも、私はあなたの気持ちに応えることはできないわ。』
「っ……わかってる。だってあなたは寺嶌先生と……」
『そう……結婚するの。だから、貴方の気持ちは受け取れない……』
「っわざわざ……ありがと……これで、気持ちもすっきりしたから……」
『……あなたには、もっといい人が現れると思うわ(微笑)』
「ぇ……」
『私なんかよりずっと素敵な人で……あなたを大事に思ってくれる女の子……
そんな子が、貴方の前に現れる気がする……(微笑)
だって、あなたはそれくらい素敵な人だもの。きっと……
運命の人が現れる……』
「っそんな人……できねぇよ……だって、俺は……」
『あなたはまだまだ若いもの(笑)
これから何が起きるかわからないわよ?』
「……。」