藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第22章 ♡Story69♡ ふたりが出会えたキセキ
_11年前
「藤ヶ谷くん、ホント2年の後半から一生懸命頑張ったわね(微笑)」
「俺なんて、まだまだだし……やっとノルマ達成って感じだし……」
「でも、もう少しで受験シーズン。卒業まで、がんばりましょう(微笑)」
「……あぁ。」
「うn.けほっけほっ!げほっ!」
「っおい!大丈夫……かよ……」
「う、うん……風邪、引いちゃったかも(苦笑)」
「っ……気をつけろよ……てか、声ガラガラじゃん……マジで大丈夫なのかよ……」
「大丈夫よ(苦笑)
それより、今は自分の心配なさい!
やっとA判定がもらえるようになってきたんだから気を抜かない!」
「無理して大声出すなよ……」
「ごめんごm.けほんっ!……ごめん(苦笑)」
「……。」
「藤ヶ谷くんは、東京の黒須大学を受験する予定なのよね?」
「あぁ、そこならなんとか受かりそうだから……」
「大丈夫よ(微笑)
貴方は、授業や補講をみっちり受けたんだから、受かるわ。絶対に(微笑)」
「っ……ありがと、そう…言ってくれて……ホント、っうまく言えないけど……
ありがと……先生……」
「……(微笑)」
そして受験シーズンに入り太輔も受験に備えていたが、
この時期になって百合は体調不良により数ヵ月学校を休んでいた。
「先生、どうしたんだろ……まさか、病気……」
「ほら藤ヶ谷!」
_ビクッ「っ!?」
「手が止まってるぞ?どこか、わからないところでもあったか?」
「っいや、なんでも……っ寺嶌先生!」
「なんだ?」
「……白咲先生、なんでずっと学校来ないんですか?
病気なんですか……?」
「……百合か……百合は、」
深刻な表情を見せる恭吾……
「っ……」
「……実は、声帯ポリープ……喉に腫瘍ができている……」
「っ!?」
「それで今、療養中だ……」
「っ先生は……先生は大丈夫なのかよ!」
「手術は、無事成功した……しかし、もう彼女の声は……」
「っそん、な……」
「もう、彼女の声を聞くことはない……。」
っそんな……もう……
『藤ヶ谷くん(微笑)』
あの声を、聞くことができない……。