第19章 ♡Story６６♡　最後のお仕事、新しい命

「っ……」



「百合さんの出産は、それだけのリスクがあるということです……
それでも、産みますか？」



「っ……」



「百合……」



「っ百合……」



「……っはい。産みます、産みたいです……私……」



「わかりました……お二人も、それでよろしいですか？」



「「はい。」」



「では、次の検診については……」


















＿数十分後


「今日は以上になります。次回の検診は必ず来てくださいね？」



「はい、わかりました。」



「それと、学校もできるだけ無理しないように。
お腹も膨れれば日常生活も大変ですからね……」



「はい……」



「あと、まだ気が早いですけど入院の方をおすすめします。」



「入院……？」



「はい、百合さんは他の方とは少し違いますからね……
安心して出産していただくためにも、早めの入院をおすすめします。」



「……。」



「今すぐってわけじゃないよ？
お腹が膨れた時の話だから……今はまだ、学校生活を楽しんで大丈夫だから……」



「わかりました。」



「はい。では、長いお時間を取らせて申し訳ありませんでした。
今日は以上になります。」



「はい、ありがとうございました。」



光にお辞儀をし、３人は産婦人科を後にした。














「なぁ百合……」



「ん？」



「お前、家に帰らないか？」



「ぇ……」



「いや……実家のほうが、学校も近いだろ？
それに、今後のお前の為を思うならお母さん達のところに戻ったほうがいい。」



「……。」



「俺は正直……妊娠のこととか、イマイチわかってねぇし……
それに、あれきり実家に行ってねぇだろ？
だから……お前はもう、っ実家に戻れ……」



「っ……」



「っんな顔するなよ……ただ、お前の寿命はあと１年もない……だから、
最後くらいは家族のもとで暮らせ……家族に、沢山甘えこい……裕太くんも、喜ぶしな……」



「っ太輔は？」



「俺は変わらず今のいえだよ……それに、ちゃんと会いにいく……。」



「っ……」



「太輔くん……」



「……。」