藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第19章 ♡Story66♡ 最後のお仕事、新しい命
「いやぁ……親分が卒業しても高校でなかなか不良やってた話が
中学まで入ってきたんだよねー(笑)
でも途中から全くなくなったけど……」
「多分、白咲先生のことだ(笑)」
(その頃に、教師を目指そうって思ったんだよね……太輔は……)
「っおい!なんで、お前がその人の名前……ってか!
やっぱりお前……」
「うん、見ました(笑)」
「っじゃあ……手紙も、全部……」
「よーんじゃった♪」
「……(固)」
「あら太輔くん、どんな手紙だったのかしら♪」
「ったいしたことじゃないですから!」
「へぇ……親分がワル辞めたのって今の教師になるためなんですか?」
「……あぁ、今思えば黒歴史だよ。俺の……」
「ははっ!あの親分がここまで変わるなんてなんかすごいなぁ……
しかもあの人気モデルだった百合ちゃんとお付き合いしたとは……」
「……。」
視線を合わせようとしない太輔。
「……これ以上掘り下げるのアレなので、話を戻しましょう。
お母さんと藤ヶ谷さん、こちらの椅子にお座りください。」
「……(汗)」
(さっきとの違いが……汗)
こうして3人は今後の検診の話や出産にあたってのリスクについて話を聞いた。
「今は軽い症状で済んでいるけど、赤ちゃんが成長していくにつれて、
症状が重くなっていきます。人によっては、激しいつわりに襲われます。
さらに百合さんは、白血病も患っています。
薮の話によると、かなり進行していると伺っておりますが……」
「はい、半分以上はがんに……」
「延命治療は、受けてないんだよね?」
「はい……」
「そっか……そう考えると、出産はかなり危険なものになるかもしれないですね……」
「……。」
「やおと…じゃなくて先生、危険って言うのは……」
「八乙女でいいですよ(笑)
……出産には、かなりの体力を使います。
数時間で終わる人もいれば長時間かけて産む方もいます。
百合さんの現在の体力は、一般の方よりはるかに劣っています。」
「……。」
「……出産によって、死に至る可能性があります。」
「っ……」
「母子ともに、危険に晒される可能性が高いんです。」
「っ……」