藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第4章 ♡Story51♡ 九条和真
百合side
全教室で朝のHLをやっている中、私はただひとり廊下を走り
階段を駆け下り下駄箱から靴を出して再び走り出す。
九条君は歩き、私はずっと走ってきたからなんとか九条君までたどり着きそうだ。
九条君はあと少しで校門を抜けるところ...
「っ九条君!!」
「っ!?」
私は九条くんめがけて思いっきり声を上げた。
九条君はその場で立ち止まりこっちに振り向いた。
「っおま!なんで......」
「っなんでって、九条君を連れ戻しに来たの。」
呆然と立っている和真、百合は和真にゆっくりと歩み寄っていった。
「連れ戻しに来たとか、馬鹿じゃねぇの!?
さっさと戻れよ。じゃあな。」
「っ戻らない!九条君が戻るって言うなら戻る!」
「......嫌だだって言ったら?」
「......無理やりでも連れ戻す!」
「は!?」
「意地でも追いかけるもん!」
「女が男の足に勝てるわけねぇだろ!」
_ダッ!「なら、フェイントかけるまで!!」←
百合は和真との距離を5メートルまでにつめたところで走り出した。
「っな゛!?」
和真は急いで走り出した。
「待ちなさい!!」
「待てって言って待つ奴がどこにいるかよ!」
「元リレーの選手舐めんなぁ!!」
「っ......だぁぁもぉ!!」
・
・
・
・
「っなんで追いかけてくんだよ!!」
「心配だからに決まってるでしょ!!」
「お前馬鹿か!!」
「馬鹿でも偽善者でも、何とでも言っててよ!!」
「じゃあ追いかけてくんな!!」
「いや!!!」
完全に鬼ごっこ状態の私達。
やっぱり男子と女子じゃ明らかに体力も脚力も違う......
このまま九条君を追いかけることができるのか、少し不安だ......
「っ...とっ!」
だが運がいいのか悪いのか九条君が少しつまずきそうになり走るスピードが落ちた。
(チャンス!☆)←
「っ九条君待ってよ!!」
一気に距離が縮まると、思った時...
「っ百合!!」_グイッ!
突然誰かに腕を引っ張られた。