藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第16章 ♡Story63♡ 思い出した約束、そして…
「……俺のこと、好きか?」
「っ……あたり、前じゃん!
だって太輔は……私の初恋の人で……すごく、大切な人……ずっと、
一緒にいたいよ……」
再び涙を流す百合。
「……。」
陸の、言ったとおりだった……百合は、
ちゃんと俺のことを信じてくれていた……。
なら、今度は俺がちゃんと……
「太輔……」
俺はさっきよりも百合を強く抱きしめた、
そして百合も、俺の後ろに手を回した……。
「確かにお前は、子供の頃に九条とずっと一緒にいる約束をしたかもしれない……けど、
それほど重く考えなくても、いいだろ?
もし、百合が本当にその約束を果たしたいって思うなら……
俺があの時、現れてもなんとも思わなかっただろ……それで、
今もアイツを想い続けていたんじゃないか?」
「っ……!」
きっと、その約束をずっと覚えていたなら……
百合は俺を好きになることなんてなかっただろう……
逆に俺も、百合に惹かれることなんてなかっただろう……。
「だから、無理して抱え込むな……今の、自分を信じればいい。
過去に、囚われなくていい……俺が、俺が百合を支えてやるから……」
「っ太輔……」
でも、今はこうしてお互いを想い合っている……だから、
俺が支えるんだ、百合を……。
最後まで、支える……。
「九条には、お前が思ったことをそのまま伝えればいい……
アイツも、ちゃんとお前の気持ちをわかってくれる……」
「っ……ありがと、太輔……気分が、だいぶ楽になったよ……」
「百合……」_ぎゅっ…!
その言葉が、嬉しくて……思わず強く百合をさっきより強く抱きしめた。
_ムギュゥゥ…「っ……苦しいよ、たいしゅけ……」
そんな百合はちょっと苦しそうだった。
「……約束、俺との約束は……ちゃんと守れよ?」
「っ……うん(微笑)」
「……(微笑)」
昔の約束なんて、関係ない……今はこうして、
百合と愛し合っているんだから……。