第16章 ♡Story６３♡　思い出した約束、そして…

「……。」



「……おい、」



すると、陸の後ろから和真の声が聞こえてきた。



「九条……」



「お前、嘘つきやがったな……クラスのやつらで、話があるって……」



「……わりぃ、ただ……百合が困ってたっぽいかr._ｸﾞｲｯ！「ざけんなよ！」っ……」



和真は陸の胸ぐらをつかんだ。



「俺は、真剣なんだよ……なのに、余計なことしやがって……」



「……先生と、勝負してるってか？」



「っ……あぁ……」



「……お前は、百合を傷つけてまで自分のものにしたいって思うか？」



「っ！？」



「……俺、さっきの中庭のやつ見てたけどさ……
アンクレット、お前右につけただろ？」



「っ……」



「わざと、やったんだよな……？」



「……。」



「……そっか、先生に対する憎しみでそんなことしちゃうんだな……」



「っ俺は！」



「お前さ……そんなよそよそしい事しないで、まっすぐ伝えればいいんじゃねぇの？」



「っは……？」



「お前は、百合に嫌われたくないからそうやって遠まわしの行動をすんだろ？
そんなことしたって、百合はお前のところには絶対行かない……
振られるってわかってるから……あんなことしちゃったんだろ？」



「っ違う……！」



「怖いんだろ？百合との関係が崩れるのが……」



「っ……」



「……百合は、そんなことで関係は崩れはしない。
だから、まっすぐ向き合えよ……」



「っ……」



「ちゃんと、百合と向き合え……今のお前がすることは、
向き合うことだ……」



「っ……わかったようなこと、言いやがって……」



和真は胸ぐらから手を離した。



「へへっ！」



「……でも、お前の言うとおりかもな……」



「だろ？(笑)
でも、今は勘弁な？」



「なんでだよ……」



「おふたりの邪魔をしちゃいけないからねぇ♪」



「……俺も行く。」



「ちょっ、おいおい！
今は変に前向きになんないで！(汗)」