藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第11章 ♡Story58♡ 本音
「明日退院ってことは、普通に仕事に戻るのか?」
「うん。明日お母さんと涼介さんが来てくれるって。」
「わかった。」
「あとね、寝ている間夢を見たんだ。」
「どんな夢だ?」
「昔の、夢だったのか……?
九条くんと陸が出てきて、二人共小さかったの!
多分、九条くんが転校する前の。」
「ふーん……他にも、別の夢見てたんじゃねーの?」
「へ!?」
百合は突然顔を赤らめた。
「……?
百合、どんな夢見たんだ?」
「っ見てないし!太輔には関係ないもん!」
(九条くん居る前で言えるわけないじゃん……
太輔が夢に出てきたって……)
「……。」
(気になる……)
どんな夢だったのか気になる太輔なのであった。
「じゃあ百合さん、血液検査をしますよ。」
「えぇ……」
「「わがまま言うな。」」
「う゜……(汗)」
(太輔と九条くん同時に言われるなんて……涙)
百合は渋々血液検査を受けたのだった。
「はい、お疲れ様でした。
百合さん、薬はあくまで症状を一時的に和らげるだけです。
がんは徐々に浸潤していきますから体力も衰えてきます。
仕事するうえでは、十分に注意してください!」
「ありがとうございます。大体こういうのって、
先生が言うものじゃないですか?(苦笑)」
「本当だったら薮先生が言うべきことなんだけどね。
でも薮先生、出張中なんですよ。」
「なるほど、それで伊野尾さんが……」
「はい(笑)」
「それじゃ、明日は薮先生に会えないんですか?」
「うーん……微妙ですね(苦笑)
百合さんが帰る頃に帰って来る予定ですから……」
「じゃあ、もし会えなかった時の為に伝言お願いしてもいいですか?」
「いいですよ。」
「短い間でしたけど、お世話になりましたってお伝えいただけたら嬉しいです。」
「わかりました、それじゃあもしもの時は伝えておきますね」
「ありがとうございます。」
こうして慧は出ていき再び3人だけとなった。