藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第10章 ♡Story57♡ 嫌いな敵
「っお前……」
「……。」
驚いているようだが、どこか澄ましているような表情……
それが、異様にムカつく……。
「っ……」
和真side
「っお前……」
いつからいたのか、全く気づかなかった……
アイツは本当に教師なのかというくらい……
認めたくないが、
すげぇ怖い顔だった……。
「っ……」
俺は思わず後退りをしてしまった……この俺が、
たかが先公ごときに……
「お前……今何してた?」
「っ……」
まさに敵を見る目……
口数は少ないが、鋭い目がそれを物語っている……まるで、
不良と一緒だ……。
あんなの……
教師じゃねぇよ……
普通、あんな目で生徒を見ない……あいつは俺を、
生徒とかじゃなくて……
男、邪魔な敵としか思っていない……。
何なんだよ……コイツは……
恐らく俺も、
アイツを百合の元教育実習生だとかただの知り合いと思わない……
もう、
敵でしかない……
倒さないと、
いけない相手……。
「今キス……してただろ……」
なら、
絶対負けたくない……。
「……したけど?
文句あんのかよ……先公ごときが……」
「っお前……!」
_ぐいっ!
「っ!」
早歩きでこっちに来たかと思えば突然胸ぐらを掴まれた。
「なんで……眠っている百合にキスをした……」
「はっ?そんなの……」
そんなの、とっくに分かってんだろ……
「百合が好き、
ただそれだけだよ……。」
ただ百合が、好きだから……。
それだけだ。