藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第9章 ♡Story56♡ 生への選択
美香side
「っばか!!」っ美香ちゃん!」
百合の話をまともに聞かないまま、病室を抜け出してしまった……。
でも大事な友達が選んだ決断を、簡単には受け入れられなかった……。
でも誰がなんと言おうと、結果は変わらない……。
「っおい美香!
急に走り出してどうしたんだよ!」
後ろから玲が追いかけてきた。
あっという間に追いつかれ腕を掴まれた。
「っ今の私に現実を受け入れるなんて無理なの!
悪いけど……もう少し考えさせて……百合の気持ちは、知ってるつもりだから……」
「……わかった。」
玲は美香の腕から手を離した。
「じゃ、私は先に帰るから……」
私はそのまま早歩きで病院を出ていった。
「っ百合……ごめん……」
玲side
「美香……」
やっぱり、現実を受け入れるのは辛いことだ……。
俺だって、戸惑っている……。
仕方なく俺は病室に戻ろうとしたとき……
「……。」
「っ徹平、さん?」
怖い顔をしながら歩いてくる徹平さん。
徹平さんも、現実を受け入れることができないのだろうか……。
「っ徹p.「俺も先に帰ってる……」っ徹平さん……」
「っなんで百合ちゃん、生きようって思わねぇんだよ……
俺らが支えてやんのに……」
「……。」
徹平さん、百合のことになると凄いからな……。
でも、徹平さん……百合の気持ちも、分かってやってよ……。
お互いすれ違うように歩き、玲は病室に戻っていった。
徹平side
「っ……ざけんなよ……」
「……。」
1年後死ぬことが、百合ちゃんにとって本当に幸せなことなのかよ……
訳がわからなくなり俺は病室を抜けた。
あの場に、居たくなかった……。
百合ちゃんが死ねばほかのみんなで悲しむじゃん……
藤ヶ谷先生だって……
きっとあの人のことだ。すぐ百合ちゃんの意見を受け入れる。
でも、それで藤ヶ谷先生は幸せなの?
百合ちゃん、誰のために死のうとしてんだよ……。