藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第9章 ♡Story56♡ 生への選択
「先生には、もう伝えてあるの?」
「ううん、まだ。この後問診に来るの、その時かな……」
「わかったw._コンコン「薮です。玉森さん、入りますよ。」あ、はーい!」
「お母様とお兄様もご一緒だったのですね。」
「はい。」
「今朝の具合はいかがですか?」
「倒れた日より、だいぶ良くなりました。
それで、昨日のことなんですけど……」
「お決まりに?」
「はい。延命治療は、受けない方向で決めました……。」
「なる、ほど……医者としては、治療を進めたいと言いたいですが……
それが答えならば仕方ありません。わかりました。」
「お願いします……それで、退院の方は……」
「早くて、明日には退院できますよ。今日はもう一度、軽い検査を受けてもらいます。
検査の結果によって、少しでも貧血などを抑える薬も処方します。」
「ありがとうございます。」
「では、検査の準備が済みましたら伊野尾のほうが呼びに来ます。」
「了解しました。」
「では、私は一旦失礼しますね。」
「ありがとうございました。」
宏太はお辞儀をすると病室を後にした。
「……。」
(検査かぁ……)
「異常がなければ、退院できるってことだね。」
「みたいだね、と言っても……すでに侵されてるけどー(苦笑)」
「薬って言っても……一時的に症状を和らげるに過ぎないんだろうな……」
「それでも、いいじゃない。
この子が少しでも今までの自分でいられるなら……それで……」
「……そう、だな。」
色々と落ち着き、建祭の準備ができたと慧が病室に入ってきた。
「じゃあ二人共、行ってくるね。」
「俺はもしかしたら帰るかもしれないけど、母さんがいるから安心しな。」
「うん、ありがとう。」
こうして検査も順々に進み、退院手続きにも入った。
「こちらは毎日朝昼夜の3回、こちらが、朝夜の2回となっております。」
「うげ……薬多い……」
「わがまま言わないの!」
「はーいお母さん……」
「これでひと段落ね。お母さんも、そろそろ行くわ。」
「うん、ありがとうお母さん。」
(あとで陸達にLINEでも送ろ…)