藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第9章 ♡Story56♡ 生への選択
裕太side
百合から出た言葉は治療を受けない……。
俺は信じられなかった……だって、大事なたった一人の妹が……
わずか1年後には天国に逝ってしまうなんて……。
もし百合が死んだら、たくさんの人が悲しむだろ……?
俺らはずっと百合と一緒にいたい、暮らしたい。
ファンだって、百合のことをずっと見ていたいという人だって
沢山の人も出てくるだろう……。
死んで何の得になる?
沢山の人が悲しむだけじゃなく、出来ることもできなくなってしまう……
でも百合は……
「今のこの時間を大事にしたいの……。」
今を大事にしたい……
それは、友達と学校で過ごしたいということだろうか?
だから、病院で治療は受けたくないということだろうか……?
「お母さんは、絶対わかってくれるよ……」
母さんは、全て百合の判断に委ねるといった……なら、
俺はこの答えを受け入れなきゃいけないのか……?
百合が、これでいいというなら……
この答えを受け入れることが、兄としてやるべきことなのか……?
なら、俺はもう……
「っ……わかった、わかったよ!
百合が出した答えだって言うなら、
俺はもうこれ以上……っ何も言わない……。」
「ありがとう、お兄ちゃん……。」
俺は、この決断を受け入れる……。